認知行動療法について ②行動療法編-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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              第18回   認知行動療法について ②行動療法編

 
  認知行動療法は認知療法と行動療法が融合したハイブリッド型の心理療法です。前回の認知療法に引き続き、今回は行動療法について述べていきたいと思います。
 認知療法とは異なり、行動療法では心理的不調の背景には「誤った行動の学習、もしくは適切な行動の未学習」があると考えます。従って、誤った行動を今後しないようにしていったり、適切な行動をとれるようにしていくことを目指します。
 このような目的を達成するための技法は多数存在するのですが、今回はその中でも代表的な技法として段階的暴露療法とアサーショントレーニングについてご説明します。



段階的暴露療法とは?

 不安障害と呼ばれる心理的不調に用いられることが多い技法です。
「電車に乗るとパニックになってしまうのではないか」という不安があって電車に乗れない、こういう状態を示すのが不安障害の代表です。行動療法ではこのような状態をも「誤った行動の学習、もしくは適切な行動の未学習」と考えます。電車に乗れないという場合、本来はパニックになることに対して抱いていた不安がいつの間にか電車に対して抱く感情にへ誤って学習されてしまったと考えることができるかもしれません。ですので、まずは電車の絵を見る、次に地図を見ながら自分が駅に行っているのをイメージする、などの段階的な過程を踏むことで「電車は怖くない」ということを学習し直し、徐々に電車に乗れるようにしていくという方法がとれるでしょう。段階的暴露療法の「段階的」というのはこのように徐々に慣らしていくことで、「暴露」とは今まで怖いと思っていたもの(上記の例でいえば電車)に敢えて自ら進んでいくということです。


アサーショントレーニング(AT)とは?

 頼まれたら断れない。つい感情的になってしまって後々後悔する。このようなことは誰にでも起きうることです。しかし、このようなことが積み重なると心理的不調の要因へと変容してしまうこともあります。ATは自分も相手も大事にした主張法を身に着け、そのような状態にならないことを目指す技法です。ATで重視しているのは「本当に言いたいことは何か」ということをよくよく考えることです。例えば仕事をしているように見えない部下に対してとてもイライラしてしまう場合、どうしてイライラするかを考えます。すると「実はイライラの正体は『部下が今後自分と同じように部下を持つ立場になった場合、うまくその部下を指導できなくて困るんじゃないか。だとしたら可哀そうだな』という憐れみだった」ということが分かってくるかもしれません。だとしたら今後必要なのは、このように思っていることを冷静に直接部下に自分の気持ちとして伝えることになります。伝えられた部下も「お前はどうして仕事をしないんだ」と怒られるよりも「いずれ困るだろうし心配しているよ」と伝えられた方が気持ちが届くかもしれません。




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