場面緘黙について-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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              第24回   場面緘黙について

 
  



場面緘黙とは

 場面緘黙(かんもく)とは、言葉を話す、理解するといったコミュニケーションができる能力がある一方で、保育園、幼稚園、学校などの社会的な状況で話すことができない状態のことをさします。アメリカ精神医学会の診断基準である DSM-5では、「選択性緘黙」という用語が使われており、不安障害に分類されております。本人が意識的に話す相手や場所を選択しているという誤解を招く恐れがあるため、場面緘黙という語がつかわれています。

 場面緘黙は、子どもが保育園・幼稚園に入学する時期である、2~5歳に発症することが多いとされています。また、小学校の入学や転校など、環境の変化に伴う不安の高まりによって話せなくなることも多いようです。

 一般的に家では家族と自由に話すことができますが、会う機会の少ない身内や知らない大人に話しかけられた時、親と一緒であっても黙ったままでいることもあるようです。また、特定の子どもや先生と話せる子もいるようです。かんもくネットの『緘黙場面Q&A』(学苑社)によると、子どもの気持ちとして、「喉が詰まるような感じ。声帯が麻痺したような感じ」と表現されることもあるとのことでした。


場面緘黙の子どもの心

 場面緘黙の子どもは、しゃべることを要求される、返事を期待される場面で不安や恐怖を強く感じる傾向があるようです。彼らは身を固め、口を固く結ぶことで、不安な状況を回避して、自分を守っていると言えます。



子どもが安心して自分を表現するために

 場面緘黙の経過は子どもによってそれぞれですが、長期化させないために、早期の支援の重要性が指摘されています。また、無理に話させようとすることで、更に強い不安や緊張を喚起することになるため、安心してコミュニケーションできる人・場所・活動を本人のペースで徐々に広げていくことが重要です。

 場面緘黙の子どもは、指差し、うなずき、手紙、絵を描くなど、言葉以外の方法で他の人に気持ちを伝えることができます。彼らが安心できる環境、関係性の中で、自分を表現できる機会を持つことは重要であるように思われます。

 かんもくネットのホームページには有用な情報が数多く掲載されていますので、ご紹介させていただきます。
URL:http://kanmoku.org/index.html


 


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