エクスポージャーと儀式妨害(暴露反応妨害法)について-カウンセリング/神奈川県川崎市/ピース・アンド・ホープ カウンセリングセンター




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            第26回   エクスポージャーと儀式妨害(暴露反応妨害法)

 
  



エクスポージャーと儀式妨害(暴露反応妨害法)とは

 エクスポージャー(暴露療法)は、不安な状況に留まり続けると、時間が経過するにつれて不安が弱くなっていくことを経験する方法です。儀式妨害(反応妨害法)は、不安や苦痛をすぐに何とかするために行い、かえって不安や苦痛を強めている強迫行動をしないことです。このふたつは認知行動療法の技法で、組み合わせることで、強迫性障害に有効であることが認められています。効果があるのはわかっているけれど、やるのはためらう人が多い方法でもあります。


時間がたてば不安が弱まることを経験する

 下のグラフは不安の強さの変化を示したものです。不安に感じていることの直前に急激に強まり、そのまま溜まっていると下がっていくことがわかります。また、1回目より2回目、2回目より3回目と回を重ねるごとに弱くなります。不安が下がることが分かれば脅迫行為を行うことも少なくなります。急上昇していく不安に「無理だ」と回避すれば一時的に不安は下がりますが、「やはり自分には耐えられない」とすぐに強い不安が沸き起こることになり、強迫症状が増える悪循環になります。





やっぱり怖い?

 エクスポージャーと儀式妨害(暴露療法)は不安障害にも用いられますが、不安障害の場合は、やさしいものからスモールステップで進めます。これに対して強迫性障害の場合はもっとも困難なものを行います。やさしいものから行うと代わりの強迫症状が次々に生じて、改善につながらないからです。例えば、手洗い強迫の場合は、何日間か手洗いや入浴をしないで、手を洗うタオルも1枚を使い続けます。
「こんなことをしなければならないのか」「とてもできない」と思われたかもしれません。いきなり一番怖いことをするように迫られたらそう思うのは当然です。実際には、その前にカウンセラーと一緒に十分に準備をします。強迫症状が続くメカニズムを学んだり、強迫行為をしなくなったらどんなことができるかリストにしたり、どんなやり方ならできそうか作戦を練ったりしているうちに、自分から「できそう」「やりたい」と思えた時に行います。OCDの会など強迫性障害のことを語り合えるグループに参加するのもとても心強いものです。


 


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